てきとうライトノベル案内

縁うすい世界に眠っているお宝

 ハーレクインって月に新刊が15冊、累計では3000冊以上出てるらしくて、ハヤカワSFがこの前2000冊記念で解説本を出してたことを考えても、これは大変な量である。

 マーケットが大きければその中には名作があるにちがいない、という話を最近よくしていて、私が好きそうなハーレクインおもしろ小説を勧めてくれるレビュアーがいたら喜んで読むのだけど、残念ながらそんな人はいなくて、あの3000冊の中にはきっと私が絶賛する作品が眠っているのだな……と思って悶々としている。

 他に市場規模がデカいけどあんまり触れたことのないジャンルがBLで、本屋のかなりの面積を専有しているアレには絶対私好みのものもいっぱいあるはずだな……と思う。こちらについてはブログのレビューを読んだり人のお勧めを聞いたりしてちょっとずつ読んでみていて、まだ大当たりに出会ってはいないものの、お宝が眠っていそうな確かな手応えを感じている。

 えっちな漫画、えっちなアニメ、えっちな映画、えっちなゲーム、etc…にもこの傾向が強い。特にアニメ/映画については「実験的なことをやりたいけれど、それだけでは商業的にキツいからえっちなシーンを入れてマネタイズする」ということが行われてきた経緯がある。話の筋に全然かかわらない不自然なえっちなシーン、「ノルマエッチ」が挿入されることすらあるそうで、売られるマーケットや消費者は分離されている傾向があるものの、内容的にはそこまで変わらなかったりするらしい。古いところでは日活ロマンポルノなんかが有名だ。

しかし、ロマンポルノには映画創作上のメリットもあった。予算も限られ、短納期の量産体制という厳しい環境ではあったが、後にある映画監督が「日活ロマンポルノでは、裸さえ出てくれば、どんなストーリーや演出でも、何も言われず自由に制作できた」と語った様に、「10分に1回の性行為シーンを作る」「上映時間は70分程度」「モザイク・ボカシは入らない様に対処する」など、所定のフォーマットだけ確実に抑えておけば、後は表現の自由を尊重した、自由度の高い映画作品作りを任された。(日活ロマンポルノ - Wikipedia

 本はけっこう読むけれどライトノベル/ジュヴナイルはあまり読まない、という人は多くて、そうした人たちにとってのライトノベルは、私にとって上にあげたような、縁はうすいがでかくて得体の知れないマーケットなのだと思う。私はいくらかライトノベルを読んでいて、その中には多少のいい出会いもあった。
 今回は、ふだんジャンル小説を読んでいるがライトノベルはあまり読んだことがない、という人に向けて、おすすめの作品を10個ほど紹介したいと思う。

ひとことレビュー

筺底のエルピスオキシタケヒコ

 この作品はわりとSF読者にリーチしてる気がする。たしか円城塔が絶賛してた。
 ウイルスのように感染して、感染者を狂わせて殺人を犯させる“殺戮因果連鎖憑依体”、通称「鬼」を狩るお話。主人公たち鬼狩りは「停時フィールド」と呼ばれるある一定空間の時間を停める能力(外形や持続時間は人によって異なる)をもっており、これが能力バトルに使われたり、時間SFのガジェットに使われたりする。作中に出てくるバラエティあふれる特殊能力すべてがこの「停時フィールド」の設定から演繹されるという非常にストイックな構成。
 「宿主が殺されたら他の宿主に憑依する」厄介な性質をもつ鬼を滅ぼすため、主人公たちは自ら感染しタイムトラベルして「人類が滅んでしまった未来」に行って自殺する(仮死状態になる)ことで鬼に行き場をなくさせ消滅させる、という手続きをとっている。タイムトラベルと「時間を停める能力」、強力な鬼との戦いや他の鬼狩り組織との争いが見事に噛み合って、傑作バトル時間SF(?)に仕上がっている。4巻まで読むとどんどんダシが出てくる。
 著者の他の作品だと、音をテーマとした連作短編『波の手紙が届くとき』、お肉がおいしい人類史SF短編「プロメテウスの晩餐」が特におすすめ。

〈とある飛空士シリーズ〉犬村小六

 高低差1300メートルの滝“大瀑布”によって海が上下に隔てられた世界を舞台にした少年少女の群像劇。この世界を舞台に『とある飛空士への追憶』、〈とある飛空士への恋歌〉、〈とある飛空士への夜想曲〉、〈とある飛空士への誓約〉の長編やシリーズが出ている(完結済)。船ではこの高低差を行き来できないため、水上飛行機の発明以後に上下の住人がお互いの存在に気づいた、という設定になっている。
身分違いの恋、仇をそうと知らずに好きになってしまった苦悩、元王族の大演説など、演出や展開の劇的な感じが妙に戯曲くさくて、くせになる。

〈賭博師は祈らない〉周藤蓮

 18世紀のロンドンを舞台にしたギャンブルもの。主人公はギャンブラーで生計を立てているだけあって、勝負には筋道立って勝つべくして勝っていく。
 賭け勝負の熱い展開(特に2巻)もさることながら、当時の様子やギャンブルの描写が見どころ。ブラックジャックのカウンティングが発明されていない時代、チェスのルールが変わる過渡期の物語。異常に綿密な取材をしている気配を感じる。ヒロインは中東あたりから連れてこられた奴隷で、言葉もわからなければのども焼かれていてまったく話すことができない。
 支倉凍砂のファンタジー作品群(〈狼と香辛料〉、〈狼と羊皮紙〉、〈マグダラで眠れ〉)に雰囲気が近いところがあるので、どちらかが気に入ったならもう片方を試してみるのもいいかもしれない。

〈ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン宇野朴人

 普段は昼行灯の主人公は実は軍師として天才的な手腕をもっていてピンチになると活躍しだす中世風戦記物ファンタジー……かと思いきや……という感じ。作中で技術が進歩して、気球/火砲/狙撃銃などの登場による、現実の世界でもあったであろう戦略パラダイムの変化が再演されていく。現実と違うのは「精霊」とよばれる妙に便利な存在(水を浄化したり火をつけたり動力になったりする)が人間と共存していることで、このあたりの事情について10巻で怒濤の設定開示がある。戦記物としてわりと面白いと思って読んでたら別のところからもパンチを食らう感じ。アルデラミンというのは実在する恒星の名前です。

『妖姫のおとむらい』希

 伝奇グルメ小説? 「旅をしつづけなければ食べ物の味がわからなくなってしまう」奇妙な体質をもった青年が訪れる先々で不思議な空間に迷い込み、いろいろなうまいものにありつく。主人公は案内人をつとめる少女「妖姫」に対して終始なぜか食欲を催してしまい、しきりに「舐めさせてくれ」などとお願いする。ノスタルジーあふれる内容と文体で読み進めるのがたのしい。著者は稲垣足穂のファンらしい。

りゅうおうのおしごと!白鳥士郎

 将棋もの。16歳で竜王となった主人公に女子小学生の弟子がつくことになって、ラブラブコメコメするロリライトノベル……と思いきや、熱い将棋の戦いや、つらい才能の話がいっぱい出てくる。主人公が属する一門のメンバーを中心とした群像劇で棋界の人々の奮闘が描かれる。才能ある人が努力したら才能がない人がどんなに努力しても到達できない遠いところにいってしまう話。才能ある人が「自分には才能がない」と思いながら努力しまくるのを、才能がない人が見る……といった構図がいっぱいあって、読んでいてウワーとなってしまう。
 謎のタイミングでラッキースケベ的謎展開が挿入されて読んでてキツくなることがあるので注意。
 棋界の綿密な取材をしていて、キャラクター造形やエピソードに活かされている。特に5巻が白眉の出来。

『ピニェルの振り子』野尻抱介

 生態系SFの傑作。辺境の惑星で蝶のハンターをしていた少年が、蒐集目的でやってきた宇宙船の水先案内をつとめることになり、なんやかんやあって超大なスケールの天体現象の謎が解き明かされていく。とにかくモチーフの扱いがうまくて、相似構造や演出がカチリカチリとはまっているのが心地いい。
 「銀河博物誌①」と銘打たれているが10年経っても②が出る気配はない、というかソノラマ文庫自体がなくなってしまった。 著者の似た傾向の作品では〈クレギオン〉シリーズの『フェイダーリングの鯨』、『ベクフッドの虜』など。
宇宙開発ものの〈ロケットガール〉シリーズ(特に3巻)もおすすめ。

〈赤村崎葵子の分析はデタラメ〉十階堂一系

 日常ミステリ……なのだが、変わった構成をしていて、謎が ①本編で解かれ ②チャットルーム(本編の謎について登場人物が話し合う断章)で解かれ ③あとがき後のおまけコーナーで解かれ ④さらにまだ解くべき余地があることが示される という4段以上の謎解きをする構え。読者に残された余地についてもヒントが十分に提示されていて、注意しながら読むとまた違った視点がひらけて、再読が非常に楽しい。

『ペンギン・サマー』六塚光

 昔話、ペンギン、謎の組織、宇宙船、夏休み…… 組み合わされている要素もバラバラなら語りの手法や視点もバラバラの、断章が組み合わされたような不思議な構成の小説。なぜか最後には一応シュッとまとまって快感があった。いま手元になくて記憶が怪しいので戻ったら追記する。

「あたらしくうつくしいことば」石川博品

 聾学校を舞台にした百合小説。転校生としてやってきた二人の少女は使っている言語(手話言語)が違っていて、受け入れ先の学校の生徒と転校生たちの間にはあたらしいことばが形作られていく。コミュニケーション方法の変化と人間関係の変化を絡めて扱う手つきがうまい。
 作者の他の百合作品には『四人制姉妹百合物帳』など。こちらでは洗練された文体でお下品な内容をやっていてたのしい。


 今回はこれくらいで。

鏡の国のティーポット:仮想空間の右と左

バーチャルな空間での右利きと左利きについて。

右利きと左利き

 右利きと左利きの割合はだいたい9:1と言われていて、世の中のいろいろなものが気づかぬうちに右利き用にデザインされている。特に文房具には顕著で、ハサミの刃の合わせ(左手で持つと切っているところが見にくい)や、定規の目盛りの順序(左から右に線を引くと数字がわかりにくい)などの問題があるらしい。そもそも左から右への横書き自体、左手で書くと書いた文字がすぐ見えないし手にインクがつくし、大変そうである。

 左利き向け/ユニバーサルデザインのアイテムもいろいろ発売されていて、左利き向けのハサミ、左利き向けのマウス、ユニバーサルな定規、ユニバーサルなトランプなんていうものまである。トランプにどう左利きの不便があるかといえば、数字とスートが左上と右下だと左手でファンを作ったとき隠れて見えなくなってしまうとのことで、ユニバーサルなものには四隅すべてに数字とスートを書いているらしい。

 おもしろいところでは、最近「iOSのハサミの絵文字は左利き用」という話を見た。

絵文字のスクリーンショットを撮ったのがこれ。
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ティーポットの向き

 何かのきっかけで「ティーポット」で画像検索してビックリしたことがあって、下の画像を見てもらえばわかるんだけど、ほとんどのポットの写真が決まったように持ち手を右、注ぎ口を左に配置している。
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 どうも「マグカップ」や「ティーカップ」で検索しても同様の傾向があるようだ。
 おそらくこれも右利きの人が多いからで、素直にテーブルにポットを置いて正面から写真を撮るとこの構図になるんだと思う。意外なところに隠れていた左右の非対称性がを発見してメチャメチャ興奮した。

Utah Teapot

 ところで、CGの世界には「Utah Teapot」と呼ばれるメチャ有名なティーポットがある。これはCGの黎明期に作られたヴァーチャルな茶器で、マーティン・ニューウェルって人が自宅のティーポットをもとにモデリングして数値データを公開したんだけど、丸みとかくびれとか取っ手の穴とかがあって適度に複雑で、いろいろやってみるのに便利だったのでみんな使うようになったらしい。一緒にミルク入れのデータも作ったけど失われたとか、初期のモデルには底がなかったとか、逸話にも事欠かない、3DCGオブジェクト界の有名人である。便利なので、今でもいろんな3Dモデリングソフトにはじめから入っているらしい。

 んで、コンピュータグラフィックス界のティーポットがどのように撮影されるかというと、現実と同じで右側に取っ手の画像ばかり、ということには、ならない。「computer graphics teapot」で画像検索した結果が下の画像である。

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 現実界の画像が圧倒的に右側取っ手優勢だったのに対して、コンピュータグラフィックス界では取っ手の向きの左右は半々になっている。この世界ではほとんどのティーポットは宙に浮かんでいるし、仮にテーブルに置く場合も「利き手で取っ手を持って」置くわけではないため、右側に取っ手がくる蓋然性が高くなることもない。
 Utah Teapot で左右の非対称性が失われているのは、単純なオブジェクト配置のレベルのCGモデリングには身体性がないからと考えられる。この世界ではオブジェクトが体の延長にないため、「利き手」によって左右のどちらかが優遇されることがない。

 余談だが、ニューウェル自身がモデリングのために作った資料では取っ手が左側に配置されている。ニューウェルは左利きだったのだろう。
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Computer History Museumより引用 The Utah Teapot - CHM Revolution

身体性を獲得したCGの世界

 CGの黎明期や単純なオブジェクトの配置のレベルでは「オブジェクトが身体性を持たない」ため左右が同権になりえたことを上で述べた。しかし、モーションキャプチャや表情の認識によって、「身体的な」現実の動きがどんどんCGの世界に取り込まれるようになってきている。いま、左右の非対称性は、現実と同じ姿のまま、あるいは現実とはまったく真逆の姿でCGの世界に入り込んでいる。現実と鏡写しの「左利き優位」なのが、FaceRigの世界だ。

FaceRigの鏡

 FaceRigというのはSteamで買えるすごいソフトウェアで、PCのカメラで顔を撮影して、その表情を画面の中の3Dキャラクターが再現してくれるという、すごいソフトウェアである。
store.steampowered.com  ちょっと前におっさんでも画面の中で美少女になれる!というので話題になっていた。内部的には、撮影した画像から目や口の開き具合を数値として取得して、その数値に応じて3Dモデルの対応した部位を動かす、ということをやっている。
 印象的なのが、FaceRigではデフォルトのモードが鏡像になっていること。
 この仕掛けによってFaceRigはかなり鮮烈なアプリケーションになった。というのは、モニタの中で異形のキャラクターが自分と同じ表情(の鏡像反転)をしているのは、おとぎ話の魔法の鏡そのものの体験である。

 Facerigの世界では現実の体の動きに対応して画面の中の(仮想的な)体が動くわけで、この動きは物理的身体と直結している。Facerigの世界は、現実世界の左右の非対称性とちょうど「鏡写しの」非対称性を持つことになった。
 というわけで、モーションキャプチャで駆動される鏡写しのコンピュータグラフィックスの世界は、左利きが多い不思議な世界だ。

鏡の世界はどこにあるか

 とは言ったものの、上で述べたような、自分の表情を写したキャラクターと対面する「鏡」インターフェイスは少々特殊な例である。モーションキャプチャで動く仮想の体の多くはFPS視点やTPS視点で、そこに鏡像反転の関係は存在しない。身体性を獲得したところで、現実世界と同じ左右の関係が再演されるだけのことだろう。

 もし鏡像の仮想世界があるとすれば、「キャラクターの顔がこちらを向いて対面しているタイプの動画」にあらわれるはず——ちょうど最近話題のバーチャルユーチューバーがそれである。

バーチャルユーチューバーの右利き左利き

 意気揚々とバーチャルユーチューバーの利き手を確認した(ヒントが少なくて難しかった)ところ、(仮想世界での)右利きが多いようだった。左右反転してるはずだから現実では左利きのユーチューバーが多いんだね! と主張するのはちょっと無理筋だろう。

 考えられるのは、バーチャルユーチューバーが撮影に使っているインターフェイス「鏡」ではなく「カメラ」なのではないか、ということ。かれらは「鏡」で自分のパフォーマンスを確認しながら撮影しているのではなく、実写の撮影と同様に、カメラの前で演技をしているだけなのかもしれない。

 身体性の欠けた左右ニュートラルな世界や、左右が反転した鏡の世界の住人はどこかにいるのだろうか。

 CGの世界で、こいつ左右反転してるで! っぽい動きをしている人がいたら相当おもしろいので、見かけたら教えてほしい。たぶん反転していてもそこまでの違和感はなくて、ラジオ体操の左右の順番が逆だったり、何人もいる中で左利きの割合が多かったり、どこか些細な違いにあらわれるものだと思う。

追記:仮想空間で左右反転してるやつら

 と思ってたら、にじさんじ(基本的にフェイストラッキングだけでやってる新興のバーチャルユーチューバー)のキャラクターが左右反転してるらしい、との情報が入った。

 どうも画面の中で「みぎめーひだりめー」と目を動かす? のがキャラクターの左右に対応していない、ということらしいのだが、残念ながら動画の過去ログが消去されていて閲覧できないとのこと。  残念。

ダジャレ全部言う(1) 500ダジャレ/秒

ダジャレをやめる

あらかじめすべてのダジャレを言ってしまえば言うものがなくなるので、ダジャレをやめられると思う。

人間の力では大変なので、機械的にやる。

辞書

いきなりダジャレ全部言うのはなかなか難しいので、とりあえずステップ(1)として、単語レベルでまったく同じ音の、同音異義語ダジャレを全部言う。

まずは、オープンに公開されている辞書をダウンロードしてくる。 国立国語研究所が作った語種辞書『かたりぐさ』という辞書データがあって、

語種辞書『かたりぐさ』 - 言語データベースとソフトウェア

91320個の単語が登録されているらしい。一般的な大人が知ってる語彙が50000とか聞いたことがある気がするので、たぶん十分だと思う。

たとえばこの辞書で「帰る」という単語を調べると

帰る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和

と教えてくれる。左から「単語」「読み」「品詞」「活用」「和語・漢語・外国語・混成語の区分」の順。

語の区分違いダジャレ

外国語と和語で「カラメル」と「絡める」のように、「和語・漢語・外国語・混成語のどれか」の区分が違えば違う語源だろうし、音が同じで区分が違えばだいたいダジャレになると思う。二文字かぶり程度でダジャレとか言ってたら生活できないので、三文字以上の単語に限定して調べる。

同区分別品詞ダジャレ

上の四つの区分では同じグループに属していてもダジャレになる事例はあるはずで、たとえばこの辞書で「和語」でありかつ読みが「カエル」の単語を検索してみると、

かえる カエル 動詞-自立 一段 和
かえる カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和
カエる カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和
カエル カエル 名詞-一般 NaN 和
換える カエル 動詞-自立 一段 和
還る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和
帰る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和
飼える カエル 動詞-自立 一段 和
替える カエル 動詞-自立 一段 和
代える カエル 動詞-自立 一段 和
買える カエル 動詞-自立 一段 和
変える カエル 動詞-自立 一段 和
返る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和
孵る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和

というように候補がいっぱい出てくる。
同じ品詞の言葉だと似た意味が多かったり組み合わせが難しかったりしてあんまりダジャレという感じがしない。
そこで、同じ区分の同じ品詞からは代表をひとつ選んでくることにする。
この例だと、たとえば

カエル カエル 名詞-一般 NaN 和
帰る カエル 動詞-自立 五段・ラ行 和

だけを引っ張ってきて、ダジャレと思うことにする。

ダジャレ発見フローチャート

① 同じ読みの単語を抽出
② 語の区分(和・漢・外・混)をチェック

  • 語の区分が違う→ダジャレ

  • 語の区分が同じ→③へ

③ 語の品詞をチェック

  • 品詞が違う→ダジャレ

  • 品詞が同じ→非ダジャレ

これでだいたいいいと思う。

実装

pythonのpandasのデータフレームで適当にやった。重複の検出はduplicateを使った。

出力結果の統計

まず区分が違う同音異義語の数。これらのペアはほとんど全部ダジャレにできそうなものだった。

語1の区分 語2の区分 区分の異なる単語ペア数
漢語 和語 158
漢語 外国語 75
漢語 混成語 107
和語 外国語 36
和語 混成語 36
外国語 混成語 9
421

次は同区分内で別品詞の同音異義語の数。

語の区分 品詞の異なる単語ペア数
漢語 149
和語 302
外国語 5
混成語 19
475

ところが、こちらでは

一番 イチバン 副詞-一般 NaN 漢
一番 イチバン 名詞-副詞可能 NaN 漢

のような「同じ意味で別品詞のペア」がほとんどで、上で出した「カエル」のような例はあまりないようだった。漢語・外国語・混成語ではダジャレっぽいものが皆無だったので、後につづく実例には載せていない。

二種類の合計でたぶん500ダジャレくらいはできたと思う。別の同音異義語とのペア入れたら2〜3000くらいかな? 出力には1秒かからなかった。

出力結果

外国語との組がわかりやすくていいと思う。

漢語・和語

フタツ, イカン, イコウ, イタイ, イタク, イトウ, ウツウツ, オンバ, カイイ, カクカク, カコウ, カタイ, カヨウ, カンカン, ガクガク, キソウ, キノウ, キュウキュウ, キョウ, キライ, コスイ, コブシ, サカン, サクイ, サソウ, サッキ, サバク, シカク, シゲイ, シゴク, ショウ, シント, シンボウ, ジマイ, セマイ, ソウコウ, ソウロウ, ソクバク, ソット, ソロウ, タカイ, ダクダク, チカイ, チカク, チョウト, チンチン, テイタイ, デント, トウサン, トクトク, トコウ, トドク, ドウカ, ドッカ, ドント, ナンカ, ナント, ニオウ, ネツイ, ハイル, バンバン, ヒッカク, ヒロウ, フウン, フカイ, フクム, ブンブン, ボウボウ, ボツボツ, マイコ, マドウ, ムサイ, ヤサイ, ヤトウ, ユエン, ヨウシ, ヨウヤク, ヨウヨウ, ヨクヨク, ヨソウ, ヨダツ, ワカイ, ワヤク, イチゴ, ウトウ, ウンカ, カイコ, カレイ, カンバ, ガリガリ, キュウリ, キンキン, ゴカイ, サクサク, シャケ, ズキン, セイゴ, ゾクゾク, ダイダイ, チシャ, ドカン, ドジョウ, ニシン, ヒガイ, フッコ, ホッケ, ミョウガ, ズイキ, カクシ, ウカイ, イエイ, カワラ, カッパ, ヒダイ, イアイ, イシキ, ショウト, ムカイ, ユウキ, シュウト, ムコウ, ミツギ, コウバイ, コウジ, コシキ, ミツゴ, コクソ, シマイ, コウシ, コガイ, イチマツ, カイバ, ナンジ, ハヤク, ホガイ, デキアイ, コウリ, コウタイ, ブカイ, マッコウ, イキガイ, オウギ, フクロ, シナイ, ソウズ, トウジ, ドウサ, ゴトク, アイロ, ケイロ, コマイ, メイロ, ヨウチ, ヤライ, ユウヒ, ハッパ, イオウ, ホウキ

漢語・外国語

アンド, トタン, フラン, アイゼン, アンカ, アンダ, アンチ, アンプ, インカ, インチ, インキ, エイト, エンジン, ボタン, カバン, カップ, カッパ, カンパ, ゴング, クロウ, コイン, コウチン, コック, サタン, ザイン, サイド, サッシ, サンチ, サンバ, シアン, シック, シャイ, ジャッキ, ショウ, シンパ, シンク, シンポ, センチ, センス, セント, ソウダ, タイト, タイヤ, ダイス, ダッシュ, タンゴ, タンニン, タンク, チンキ, テンポ, トライ, ハイク, バイバイ, ホック, バッケン, ヒップ, ベット, マシン, マンガン, バンプ, マント, ミンチ, メイド, メイク, メンバ, ヨウド, リネン, リッチ, リンチ, リンカ, レンチ, ロップ, ワゴン, テント, レンジ

漢語・混成語

エイゴ, イイキ, カイショウ, カクイ, キオウ, キサク, クドク, サヨウ, ショウガ, シヨウ, シンコ, センナイ, タンボ, トキン, イガイ, カンパン, キンコ, サヘン, ジュンコ, ハチク, ハラン, ミショウ, ランスウ, アンジ, エンタク, ヤゴウ, ナントウ, ナンヤク, エイリ, カイヘン, カンス, カンジ, キュウバ, キョウマイ, キョウギ, ゲイコ, オンコウ, オンシャ, オショク, オンタイ, オンチ, オンテン, アイイン, アイエン, アイショウ, コウヤ, サッシ, サンピン, サンギ, コブン, カヨウ, ハイシャ, シチヤ, テッコウ, コショウ, コテイ, コモン, ジョウアイ, シンギ, シンメ, シンミ, ニオウモン, ショウアイ, ショウミ, キッスイ, キップ, ゼンバ, アイセキ, ソッコウ, ソクイ, タイロ, ダイギ, ダイス, ハヤク, ダンチ, ジアイ, ジツボ, ムシケン, チョウバ, チョウアイ, ツウジ, トウガ, トウヤ, ドウユウ, ドウギ, カイキ, カイドク, ハイチョウ, ホチュウ, ホウソ, ホンバ, メンボウ, キブツ, キヘン, メイシャ, ユウカン, ユウケイ, ユウコク, ユウショク, ユウハン, ヨウス, ヨウビ, ヨウマ, オチド, ランマ, リョウサン, ロウヤ

和語・外国語

ピーピー, イクラ, オイル, カタル, カット, カラット, カラム, カラメル, キセル, キチン, キット, クラス, クワス, コレラ, シャベル, ショウ, ジャー, タオル, タスク, テラス, ドット, ニット, バラス, バレル, パット, ピント, フラット, ホット, ホテル, ポット, マイル, メイル, メモリ, ヨーク, カッパ, チャウ

和語・混成語

カスル, コスル, トックリ, マキエ, ユスル, シラス, オシエ, カクス, ヒガシ, マダイ, キドリ, キサキ, キグミ, キツケ, キオイ, ケガキ, カタギ, コグチ, コダテ, ツナグ, カヨウ, ミズエ, アトシキ, ハヤク, チノリ, ソエジ, ドモリ, ハタチ, ヒイロ, フタメ, フジミ, フイリ, ミセル, キチン, ユドオシ, ヨクスル

外国語・混成語

ダブル, ハッスル, リント, アイス, キッス, サッシ, ダイス, メンス, キチン

ここから先は品詞違いのやつ。漢語と混成語は副詞や連体詞と名詞との一致、外国語はたぶん名詞かつ接頭辞みたいなのしか拾っていなかった。割合は低いが「カエル」「カラス」「イカン」「カシラ」「ムシロ」など、ちゃんと意味が違う品詞をイメージできる言葉があるのが見える。

和語

アタフタ, アナガチ, アマタ, アマリ, アリノママ, アレレ, アンナニ, アンマリ, イカガ, イカサマ, イカン, イズレ, イマドキ, イライラ, イロイロ, ウカウカ, ウッカリ, ウロウロ, ウンザリ, ウント, オナジ, オナジク, オノオノ, オヨソ, オヨソ, オヨビ, オンナジ, オヨビ, オハヨウ, オツカレサマ, カカル, カサカサ, カシラ, カチカチ, カチン, カラカラ, カラッキシ, ガサガサ, ガタガタ, ガックリ, ガラガラ, キタル, キョロキョロ, ギクシャク, ギュウギュウ, ギリギリ, クヨクヨ, クライ, クリクリ, グジャグジャ, グチャグチャ, グニャグニャ, グリグリ, グルリ, ケレド, ケレドモ, ココラ, コザッパリ, コックリ, コノホド, コンナ, コンナニ, ゴタゴタ, サラニ, シカシナガラ, シタタカ, シックリ, シットリ, シバラク, ショボショボ, ションボリ, シンミリ, ジャア, ジャア, ジャァ, スカスカ, スッキリ, スナワチ, ソウデスネ, ソコソコ, ソコラ, ソックリ, ソノウエ, ソノウチ, ソノタメ, ソノママ, ソモソモ, ソモソモ, ソレダケニ, ソレナリ, ソンナ, ゾッコン, タカダカ, タカダカ, タシカ, タダイマ, タッテ, タップリ, ダッテ, ダブダブ, チョット, ツイデ, ツイデ, ツトメテ, ツマリ, ツマリ, テカテカ, テラテラ, テンヤワンヤ, トコトン, トコロドコロ, トモスレバ, トモドモ, トモニ, トリワケ, トントン, ドウゾ, ドウモ, ドコロカ, ドッカ, ドンナ, ナアニ, ナカナカ, ナカンズク, ナンカ, ナンテ, ナント, ナンノソノ, ナンボ, ノビノビ, ノンビリ, ハルカ, バラバラ, ヒトタビ, ヒトマズ, ヒトリ, ヒョット, ビショビショ, ピッタリ, フックラ, フニャフニャ, ブツクサ, ブツブツ, ブヨブヨ, プカプカ, ヘナヘナ, ペコペコ, ホット, ホレボレ, ボロボロ, ボンヤリ, ポツポツ, ポロポロ, マゴマゴ, マシテヤ, マッスグ, ママナラナイ, マルマル, マルマル, ミズカラ, ムシロ, モシカ, モジャモジャ, モットモ, モットモ, モノノ, モヤモヤ, ヤットコ, ユクユク, ヨッポド, ヨワイ, ワンワン, アオイ, イカル, イキイキ, イトド, イヤー, カエル, カラス, ガクガク, ガバガバ, ギシギシ, ギスギス, クシャクシャ, ゴロゴロ, シノブ, ジワジワ, スイスイ, スガル, スレスレ, ズタズタ, タラフク, ドカン, ドキドキ, ニコニコ, ノビル, フトイ, ヨロシク, クライ, ヒトシオ, ヒトツカミ, ヒトアジ, ヒトメ, トオク, クダリ, ナントカ, ナニモカモ, ナニヨリ, ナンラ, ナニサマ, イエイエ, オオムネ, ワリアイ, イワバ, イクバク, イクラ, イクタ, イソギ, サカイ, ワズカ, チカイ, チカク, チカゴロ, クリカエシ, イヤイヤ, モトモト, ムコウ, サイワイ, ヒロビロ, イマゴロ, イマサラ, イマヒトツ, ネコソギ, イササカ, コヤス, オモイ, オモイキリ, オモイナシ, サシテ, ニヨリ, モチキリ, トキドキ, トキオリ, ツギツギ, ツギニ, ニツケ, トリアエズ, テアライ, ノロイ, ムネト, ケダシ, オモニ, ウマイ, スコシ, ノボリ, ツネヅネ, イロコイ, フルイ, イキオイ, アイニク, アオアオ, オリオリ, サキホド, アライ, アライザライ, アラカタ, ハヤク, アイカワラズ, オオク, オオカタ, オオヨソ, ナカス, ナガイ, オッテ, オッテ, ホドホド, ドロドロ, ツレヅレ, ヒゴロ, イレカワリタチカワリ, ゴトシ, イカホド, トシゴロ, スナワチ, シラス, オオイ, トビキリ, ウキウキ, ナミナミ, カタヤ, ホトンド, オヨソ, ソゾロ, マダキ, ポックリ, マノアタリ, ヨドオシ, タチマチ, サスガ, ヒヤヒヤ, タトエ, ホシイ

ダジャレがだいぶ嫌いになれてよかった。